Voyage Bibliomaniac

旅先で本を読む至福を満たすブログ

アナタも読み通せる!読み物としても面白いビジネス書5選

去年はたくさんビジネス書を読んだ年だった。その中でもタメになり、かつ面白くてサクサク読めたものをご紹介したい。

TED TALKS/クリス・アンダーソン

TED TALKS スーパープレゼンを学ぶTED公式ガイド

『TED TALKS』は多数のテーマに囚われないプレゼンテーションを発表し続けているTEDの代表者が記した、興味を惹くプレゼンの方法書。この本の信頼性を高めているのが、書かれている内容が全て面白いこと。魅力的な語り口、面白い経験、効果的な話題の順番。これだけ面白い話が出来る人に、自分もなりたいと思うこと間違いなし。

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お金2.0/佐藤航陽

お金2.0 新しい経済のルールと生き方 (NewsPicks Book)

お金や経済って結局何なのかというところから、今話題のフィンテック・仮想通貨・シェアエコノミー・評価経済(Youtuberやインフルエンサー)について、30歳未満のアジアを代表する30人「Under 30 Asia」に選ばれた若き企業家・佐藤航陽が解説。ここ数年で生まれてきたこれらのシステムは、これまでの経済と何が大きく違うのかというところから、未来の社会の在り方を考えていく。

単に知識を入れるだけでなく、モノの見方も変えてくれる一冊。金融系の専門用語を使わずに書かれているので、読みやすくたとえ話も面白い。

お金2.0 新しい経済のルールと生き方 (NewsPicks Book)

お金2.0 新しい経済のルールと生き方 (NewsPicks Book)

 

自分を操る超集中力/メンタリスト DaiGo

自分を操る超集中力

この本もすごかった。集中して作業に取り組むための方法が、役立つものからほぼ無茶ぶりみたいなものまで紹介されている。それは無理でしょ!?みたいなものも、実践出来たら効果は有りそうなんだから、やっぱりメンタリストはすごい。序文からメンタリスト節を飛ばしているので、ぜひ立ち読みしてきてほしい。

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10年後の仕事図鑑/堀江貴文・落合陽一

10年後の仕事図鑑

若きメディアアーティストと天才実業家、多くのフォロワーを抱える2人の口から飛び出したのは、「AI時代にも消えない仕事」について。

一番消えないであろう仕事って、なんだと思います?

イラストも交えつつ、飾らない口語で書かれているのですぐに読めるしオススメ。

10年後の仕事図鑑

10年後の仕事図鑑

 

クリエイティブ思考の邪魔リスト/瀬戸和信

クリエイティブ思考の邪魔リスト

「クリエイティブな思考は鍛えれば誰にでも出来る」と語るのは、日本オラクル→日本マイクロソフト→フィットピットと先端企業を渡り歩いてきた瀬戸和信。創造性を生むために発想を転換させてくれる本なのだけど、ビックリするぐらい例え話がたくさん出てくる。ビジネス版世にも奇妙な物語というべき、「こんなことあるんだ!」の連続が飽きないので、読みやすい。

クリエイティブ思考の邪魔リスト

クリエイティブ思考の邪魔リスト

 

今後も追加していくので、ぜひまたお立ち寄りください。

目から鱗の英語本『ワンランク上のビジネス英語術 エール大学厳選30講』

日本人の知らないワンランク上のビジネス英語術 エール大学厳選30講

ワンランク上のビジネス英語術を学ぶ

あなたはThank you.を使わずに感謝を伝えられますか?

この本に書かれているのは、まさに日本英語教育の盲点であり、知っておいて損はない英語の知識。特に習得の難しい、同意語のニュアンスの差異だったり文化的な側面から見た動作(ex.握手の仕方/電話応対など)を学べるのが美味しい。電話の時に声を高くするアレ、外国人相手にやると良くないの知ってた?

トランプ大統領の強いイメージから、外国人相手には"No!"と強く言わないといけないのかと思いがち。しかしそれもこの本では否定されている。

その他にもまた会いたくなる会話の締めくくり方だったり、スピーチの時にはっきり相手に伝えられる発音のコツだったり、重要度の高い内容が凝縮された、捨てページ無しの一冊。

ドクター・ヴァンスの本

この本を書いたのは、イェール大学にビジネススクールコミュニケーションを専攻する学部を創設したウィリアム・A・ヴァンス。普段は国際機関のエージェントにコミュニケーションを教える傍ら、言語学博士としての研究もこなしている人なので、そのへんの講師よりも信頼できる。

日本語がうまい

なにより日本語に堪能で、この本もドクター・ヴァンスが書いた日本語を、神田房枝さんが監修したもの。日本を知っている人だからこそ、日本人の多くが陥りがちなミスを指摘できるというわけです。絶対に面白いし役立つから、騙されたと思って本屋で立ち読みしてみて!それでは!

日本人の知らないワンランク上のビジネス英語術 エール大学厳選30講

日本人の知らないワンランク上のビジネス英語術 エール大学厳選30講

  • 作者: ウィリアム・A・ヴァンス,神田房枝(監訳)
  • 出版社/メーカー: CCCメディアハウス
  • 発売日: 2011/03/29
  • メディア: 単行本
  • 購入: 5人 クリック: 29回
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メンタリストが語る集中の方法『自分を操る超集中力 /DaiGo』

自分を操る超集中力

妙に力強いタイトルと、モデル然としたメンタリストにつられて一読。なんと集中力を高めれば、平均的な社会人の6ヶ月分の生産性を1日で発揮することも可能だそうだ。マジかよ。DaiGoは集中力の修行を積んでいるので、1日に20冊の本を読めるそうだ。平均的な社会人が1ヶ月に読む本は3冊、つまり6か月分なら…?という驚異の計算式だ。ちなみに本当に頭の中にインプット出来ているのかについては触れられていなかった。グレーに踏み込まない業界人の鑑だ。

イントロダクションからこういった内容だったので、少し読む気を無くしかけたが、中身に踏み込んでいくと的を射たことも書かれていたのでご紹介したい。

集中の方法

特に割かれているのが集中の方法で、適正なコーヒーの量やら、ペン立ての色やら、かなり細かいところまで書かれている。使えると思った分だけ取捨選択出来ればかなりいい本なんじゃないだろうか。例えば頭から不安を取り除いたり、選択肢を一時的に見えなくして、目の前のことに取り組む方法が紹介されていた。このあたりはかなりメンタリストっぽい。メンタリストが何なのかは知らないが。

やる気を出す方法

集中にはやる気が必要で、自分のモチベーションを上げるための方法も多数紹介されていた。その中で面白いなと思ったのが、30分ごとに区切りをつける方法。30分たったら、今している作業を止めて5分休憩する。絶対に延長しない。こうすることで、自分の中に「もう少しやりたいのに」という感覚を植え付け、やる気をアップしていくという方法だ。彼は焦らし効果と呼んでいた。そしてなんとこの方法は、ダラダラ仕事に取り組むことを防ぐ。30分以内に仕事を終わらせたくなるからだ。一石二鳥の手法で、メンタリストすごいと言わざるを得ない。

結局超人技

中には、世界トップレベルの人が行っている集中術も紹介されている。瞑想だったり、20分の仮眠で睡眠欲を断ち切れる強い意志だったり、修行の道は長い。DaiGoはコーヒーを飲んでから、そのカフェインが吸収される前に10分だけ仮眠を取ってから作業をするらしい。のび太並みの寝つきの良さだ。

簡単に実践できないものもあるが、役立つ内容も盛りだくさんの『自分を操る超集中力』。生産性を上げたい方は是非。

自分を操る超集中力

自分を操る超集中力

 

世界一のプレゼン技術を学ぶ実用書!『TED TALKS/クリス・アンダーソン』

TED TALKS スーパープレゼンを学ぶTED公式ガイド

あなたはプレゼンテーションが苦手だろうか。俺は人前で話すのは好きな方なのだけど、100人規模の視線が自分に注がれるなんて、頭が真っ白になりそうだ。というか、なったことがある。大学の講義でそれをやらかしたときは、100人超の生徒からの慰めのコメントが届き、一部は準備不足を責め、中には俺が当日着ていた服を批判するものもいた。ほっとけ。

もしあなたが俺と同じでプレゼンテーションが苦手なら、ぜひ目を通しておいてほしい一冊がある。

TEDのプレゼンテーションを学ぶ

TEDという団体がいて、科学や社会問題からその人独自の発見に至るまで、様々な分野での大規模な講演を行っている。イーロン・マスク(世界トップクラスに有名な企業家)、マーク・ロンソン(世界的に有名なDJ)などの有名人を招くだけでなく、無名だが面白いアイデアを持った人物も講演者となれる。

ここで毎年行われているプレゼンテーションは、すべての社会人がお手本とすべきハイレベルなものだ。この『TED TALKS』は、TEDの主催者が活動を通じた実体験を交えて、本当に効果のあるプレゼンの方法を伝えようとしている本であり、読むべき実用書なのだ。

TEDを見てみよう

TEDは公式サイトで、特に優れていると認定された講演を2000本以上公表している。その中でも面白いかったのが、こちら。冒頭の語りから引き込まれるこの講演は、「笑い」という日常に溢れているが、謎に満ちた行動について語ったものだ。TEDを見たことが無い人も、ある人も楽しめるだろう。

こういった優れた講演の数々から学び取った方法論は、時にプレゼンテーションに関してよくあるアドバイスを否定する。実益に満ちた本なのだ。

「7-38-55のルール」は間違い

この本の中で指摘されていることの一つが「7-38-55ルール」の間違いだ。プレゼンテーションのコツを語っている本の多くは、メラビアンという心理学者の実験結果を誤用して、アドバイスを書いている。

「7-38-55ルール」とは人は話の内容から7%の情報を、口調や話し方から38%の情報を、そしてボディーランゲージから55%の情報を得ている。だからプレゼンではボディーランゲージが非常に重要である、というものだ。これは誤りである。というか話の内容からたった7%の情報しか得ていないなんて、ちょっと考えればおかしいと気付きそうなものだ。

これに関してはメラビアンも自身のホームページで警鐘を鳴らしているので、下手に広めないようにしよう。この本はボディーランゲージ重視で小手先だけのプレゼンテーション方法論に、真っ向から反対していく。そんな浅い技術で作られたプレゼンは、次の日になったら忘れられているに違いないのだ。

人を集中させる方法

そこで『TED TALKS』に書かれているのは、どのようにしてプレゼンテーションの構成を作れば、人の心に残る発表が出来るのかといったことや、実際に使われるスライド作成のコツ、原稿は書くべきか否か、そして本番に向けてどのように練習していくかということなのである。

決してこの本に書かれていることは簡単なことではない。なんといっても世界レベルのプレゼンタ―となるための本なのだ。この短い紙幅で語れる中で、ためになったことについて2点書いておこう。

1.ゆっくり話せばいいというものじゃない

どのプレゼンの本にも、ゆっくり話すように書いている。確かに聴きやすくはなるけど、自分のペースと合わないので聴いている側をイライラさせてしまう。これでは意味がない。プレゼンと会話のスピードは同じなのだ。そもそも会話と同じく語り掛けるようにプレゼンテーションをしてこそ、親しみが持てる発表が出来るのだ。

ゆっくり話さなくても伝わるように、出来るだけ専門用語を廃し、多くの記憶に残る画像や映像を使うようにすべきだ。

2.怖いのはみんな一緒、そしてそれは助けになる

一番有益だと思ったのが、この情報だ。世界レベルのプレゼンターも、プレッシャーに押しつぶされそうになりながら発表に臨んでいる。そして時には内容を忘れて原稿を見てしまったりする弱さを、人は無意識のうちに応援したくなるのだ。

だからこそ発表者にしか見えないモニターを見続けながら発表するのではなく、あえて手に書いたメモをみて発表するべきなのだと、この本は教えてくれた。その他にもプレゼンテーションで生まれてくる恐怖を乗り越え、時には利用する方法が書いてある。

ユーモアが溢れている

『TED TALKS』の一番すごいところは、読み物として面白いところだ。これがTED代表としてクリス・アンダーソンがこれまで培ってきたものなのだろう。数多くのためになるたとえ話や、笑える失敗談、そして情熱。実用書を読んだことが無い人も、最初の10ページを本屋で立ち読みしてみてほしい。絶対に刺さる。

おわりに

これから先、コミュニケーション能力やプレゼンテーション能力といった対人能力は、ますます必要になってくるだろう。あのプレゼン職人ともいうべきスティーヴ・ジョブズは、元々は内向的で人見知りをする人だったそうだ。それが長きにわたる修練を経て、あの伝説的なプレゼンテーションへとつながったのだ。

プレゼン能力の発掘は、自分の中に眠る金脈を発見する行為なのかもしれない。そんな価値ある行動を、楽しみながら出来るとしたら、最高でしょ?ぜひ一度、手に取ってみてほしい。

TED TALKS スーパープレゼンを学ぶTED公式ガイド

TED TALKS スーパープレゼンを学ぶTED公式ガイド

 

 

【超一流の雑談力/安田 正】会話能力を磨くためのチェックリスト

超一流の雑談力

2016年の上半期に爆売れしたビジネス書らしいので読んでみた。日本人の多くが抱えるシャイ病やコミュニケーションへの不安。藁にも縋る思いでこの本を手に取った人は多かったんだろうな。

コミュニケーション能力さえ高ければ、幸せになれる。コミュニケーション能力が低い人が常に損をしていることは、多くの人が実感しているだろう。

『超一流の雑談力』はコミュニケーション能力はトレーニングして鍛えるもの、という前提で書かれた雑談指南書だ。筋トレ本の会話版みたいなもの、内容について書いておく。

多くの人が勝手に学ぶコミュニケーションの基礎

この本に書かれているのは人生の中で自動的に獲得していくであろう、コミュニケーション能力の基礎の部分である。例えば電話では声を高くして話すだとか、相槌に「なるほどですね」「そうですね」ばっかり言ってる人は信用されないとか、自分の得意な話題に相手を誘導するべしとか、そういった類の基本的なことが書かれている。

でもそういう基本をこなせていない人、普通にいますよね?

もしそれが自分だったら、誰だっていやだろう。この本はそういう人たちのための、チェックリストなのである。

すぐ読める

パッと見は厚いが文章が簡単なのですぐ読むことが出来る。お手軽に自分のコミュニケーション能力を確かめられて良い。私は30分で読めてしまった。

後半は迷走

前半は有益な話だけど、後半はすこし迷走しているので読まなくてもいいかもしれない。

「ここぞというときに、<ファンになってもいいですか?>と相手に言う」とか、「視線を外して、<流石だな…>と思わず口から洩れたみたいに言う」とか、荒唐無稽なアドバイスが登場するからだ。この人本気で言ってるんだろうか…。

恐らく経験則で書かれているのだが、危険すぎやしないか。

特に最後の方なんて、雑談力を磨くために普段行ったことない美容院に行ってみよう!という、本当にどうでもいい話になっていく。

そういうところもあって、お手軽に読める本となっている。

超一流の雑談力

超一流の雑談力

 

【10年後の仕事図鑑/落合陽一×堀江貴文】AI時代に消えない職業とは

10年後の仕事図鑑

トップクラスの知名度を誇る科学者・落合陽一と、シンパを生み続ける鬼才・堀江貴文。未来の仕事と、僕たちは今何をすべきなのかについて、2人が軽い文体で書いていて読みやすい本だった。

ビジネス書として、今年の4~5月にはベストセラーを獲っているそうで、注目度が高い書籍だ。軽く内容を紹介しておきたい。

未来を完璧に予測する本ではない

レビューサイトなどでは評価が分かれているこの本。明らかにタイトルとミスマッチを起こしている。確かに50近くの仕事の将来を予測してはいるが、未来に仕事がどうなっていくのか、ということについては軽く書かれている。

その分読みやすいということだが、将来に不安を抱える人々にとっては、情報が不足しているだろう。では代わりにどういう所に重きを置いて書かれているのか。

今の生き方

落合陽一と堀江貴文、2人が普段発言しているこう生きるべき、という人生観や経験則をまとめなおし、AI時代を生きていく僕たちのために書き直したのが本書だ。

たくさんの「こうすべき」を示すことで、AIの発展が引き起こす将来の不安が取り除いていく。彼らに言わせればAIに奪われる仕事は、人間の能力を活かしきれていない職業なのである。

機械と戦って人間が勝つことは出来ない。だからこそ共存出来る方向へシフトしていくべきだと、指南する一冊になっている。

無くなる職業

多くの仕事が無くなっていくと予測されている。特に高コストでありながら、AIの得意分野である管理職事務経理は危うい。

消えていく仕事の中で生きていくためには、訴求力のある人間にならなければならない。そのために自分がいくつも専門分野を持ち、ニッチな存在になっていく必要がある。そして様々な分野に精通する生き方は、落合氏と堀江氏が体現している。

1つのプロになるよりも、複数のプロになるべし。かといってゼネラリストみたいに中途半端にはなるな。そういった熱い思いが綴られている本なのだ。

おわりに

とても読みやすい本なので、この2人の言葉に触れたことのない人にはオススメだ。多くの人が指摘している通り、彼らのこれまでの主張の焼き直しに過ぎない部分も多いので、普段から言動を追っている方はわざわざ読まなくてもいいかもしれない。

しかし「AI時代に絶対消えない職業はスナックのママである」だとか、面白い話がちょくちょく挟まれるので、時間がある時に読んでおくと色々タメになる本ではある。

とにかく熱い本なので、自分のやる気スイッチを押したいときには最良の一冊だ。

10年後の仕事図鑑

10年後の仕事図鑑

 

 

【クリエイティブ思考の邪魔リスト/瀬戸和信】誰にでも創造性は宿る!

クリエイティブ思考の邪魔リスト

筆者は普段、自己啓発本を読まない。いつも途中で何かわかった気になって、うっちゃってしまうのだ。そんな私でも読み通せたのが、この『クリエイティブ思考の邪魔リスト』である。

誰もがクリエイティブ思考を持つ

日本人はクリエイティブな思考を、一部の天才が持っているものだと思い込んでいる。しかしアイデアを生む力は鍛えて獲得していくものである。そのクリエイティブな思考を邪魔しているものについて、順番に書いていく、というのがこの本の趣旨だ。

15 項目の邪魔リスト
 1 制約を侮ってはいけません
 2 名刺は名前以外を見てはいけません
 3 慎重に計画を練ってはいけません
 4 「考えても仕方がないこと」を考えてはいけません
 5 周囲からの影響を軽く見てはいけません
 6 「知ったか病」に冒されてはいけません
 7 自分の「型」に他人をはめてはいけません
 8 「男だからハイヒールは履かない」と言っていてはいけません
 9 弱みを克服してはいけません
 10 グローバル時代に異文化を学んではいけません
 11 違和感から逃げてはいけません
 12 「自己ブランディング」に罪悪感を持ってはいけません
 13 惰性リズムを積み重ねてはいけません
 14 「運動」を仕事と切り離してはいけません
 15 徹夜した自分に酔ってはいけません

引用:Vol.54-「クリエイティブ思考の邪魔リスト」|起業教育研究会|大阪商業大学

著者いわく、これらがクリエイティブ思考を妨げているのだという。中にはただの生活指南なのでは?というものも混じっているが、それはご愛嬌。

ユニークな例え話

まるで釈迦が教えを伝えるように、たくさんのユニークな例え話が登場する。

自分より若く立場が下の人から学んでいく、リバースメンターシップという考え方なんて、めちゃくちゃ新しい。それですら知り合いの実体験として語れるのが、作者・瀬戸和信の魅力だ。

日本オラクル、日本マイクロソフト、フィットピットなど、様々な先端企業を渡り歩いてきた強者だけあって、色々なことを経験している。

制約がクリエイティブな思考を生む

特に感心したのは、リストの一番上にある制約の例え話だ。

ここではクリエイティブな思考に制約は必要であると、普通のイメージとは真逆の論旨になっていることが面白い。

その例えとして使われたのがTwitterだ。かのSNSでは、1つの投稿を140字の中に納めなければならない。だからこそ余分な内容を切り捨て、本当に言いたいことだけを適切に切り取っていくという努力が生まれる。それこそがTwitterの魅力なのだと瀬戸和信は語っている。

仕事のやり方まで上司が指示するような悪い制約もあれば、方向を定めることでアイデアが深化していく良い制約もあるということだ。すごく参考になる一節なのでぜひ読んでほしい。

おわりに

新たなアイデアを生む原動力について、新たな切り口から書いた『クリエイティブ思考の邪魔リスト』は、今まさに私たちが必要としている本ではないだろうか。

21世紀が始まって20年弱、AIによって消えると言われている仕事のリストは、増え続けている。そんな時代を生き抜くための、「当たり前だけど気づきにくいこと」を教えてくれるリストなのである。

クリエイティブ思考の邪魔リスト

クリエイティブ思考の邪魔リスト