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【天国大魔境 7巻】明らかになった時系列一覧と未回収の伏線!

天国大魔境7巻で明らかになった天国編と魔境編の時系列。コミックスから拾える内容を一覧化してみたので、ぜひ考察に役立ててほしい。また未回収の伏線も記載する。

明らかになっている時系列について

天国大魔境(7) (アフタヌーンコミックス)

2011年11月11日 露敏、生まれる
2018年(天栄12年)
5月6日 アスラ、自殺する
2023年(天栄17年) トキオ14歳
7月1日 トキオ、保育器室に忍び込み戦士と見つめ合う
10月16日 タラオ、亡くなる
10月28日 保育器室の足跡がトキオのものと猿渡が気づく
2024年(天栄18年)
7月17日 戦士たちが8人飛んでいく
7月20日 トキオが出産(=マル誕生)を終え、施設の子供たちの元へ帰ってくる
7月26日 高原学園が何者かの襲撃を受ける
園長「あきらめません、勝つまでは」と言う
トキオが硬化する
7月28日 トキオの元へ保育器室の戦士が1人帰ってくる
<一般人にも目撃され、都市伝説になっている(4巻、ジューイチの話より)>
自衛隊が高原学園に突入
ナタが豊中大学病院(大阪)に入院し、三倉まなかとなる
8月23日 シロとミミヒメが買い出しに出る
シロ、ミミヒメに前髪をなんとかするように言われる
11月11日 大地震が起こる
三倉、キル光線を目撃
→記憶を取り戻し、「あきらめません、勝つまでは」と言う
ジューイチの話では長い冬があり、人類の多くが死に絶える
2025年 ホテル王、誕生する
2026年~27年 マルの最古の記憶、同世代の子供と集団生活
2028年 UltimateシミールΓの期限が切れる(5巻)
2031年 マル、所属していた集団が解散
2034年 マル11歳 春希13歳(2巻) 
マル、資源あさりをする集団のボスが殺され、別の自警団に吸収される
9月12日 竹早桐子と医者(迫田)が写真を撮る
9月20日 春希、ヒルコに喰われる
10月15日 春希退院、孤児院が無くなっている
「9月頃にロビンが殺された」と浅草のおじさんから聞く
2037年 露敏が宇佐美の元に滞在する
2038年 壁の町で女性二人(ナナとイワキ)が吊るされる
ひと月後、壁の町がクモのヒルコに襲われる
2039年 キルコ(春希)、マルと出会う
マル15歳 キルコ(春希)18歳→魔境編1巻の冒頭へ

時系列はどのタイミングから推理できたか

天国大魔境(6) (アフタヌーンコミックス)

実は時系列の推理は6巻の時点で可能だった。
  1. 6巻p.155 蝉が鳴いているため、冬である魔境編と季節が違うことが分かる
  2. 6巻p.177シロの左腕の傷、p.182のボタンより、魔境編と天国編に同一人物が登場していることが判明。
  3. 6巻p.97の初登場キャラ・竹塚も2巻の表紙や6巻p.114に登場しており、天国編→魔境編でかなり成長していることが分かる
  4. 6巻p.106では「天栄18年7月20日土曜日」というアナウンスが流れるが、7/20が土曜日なのは2019年、2024年、2030年の3回である。
    →魔境編にて2024年に「大災害」が起こったことが明かされており、この時点で天国編の時系列が2024年(大災害直前)であることが暗に示されている。
そのため、本作の謎解きのターニングポイントとなったのは6巻であり、その種明かしが7巻でされたと考えられるだろう。

未回収の伏線①竹早桐子(キルコの姉)の死因

天国大魔境(2) (アフタヌーンコミックス)

2巻で明かされたように、竹早春希(キルコ)は目が覚めたら竹早桐子の体になっていた。p.57を見ると、頭をぐるりと一周するように縫い目があるため、魔境編で猿渡と学園長が話していた脳移植手術が行われたとみて間違いないだろう。

ただ改めて上記のp.57を見ると、頭のてっぺんにもう一つ小さな縫い目があることが分かる。この縫い目は①巻p.113でマルがキルコに指摘しているが、その部分だけ「ハゲ」になっている。これはどのような伏線だろうか。

2巻p.51に「パーン」という効果音で春希は意識を失う。同じ「パーン」という音が繰り返されるのが、6巻p.48、キルコが露敏と再会した際の表情を思い出すシーンである。この効果音、2度繰り返されていることから重要な伏線の可能性がある。

ここからは推測に過ぎないが、例えば露敏が銃で竹早桐子を殺害していたとしたらどうだろうか。後頭部に一撃。最後に耳に残る音は当然、発砲音である「パーン」だ。キルコ(春希)は、一部桐子の生前の記憶を受け継いでいることが示されており、記憶に残っている可能性が高い。

だとすれば、露敏は自らの手で桐子を撃ち殺したことになり、5巻ラストでキルコを目にしたときの(憎しみと驚きが入り混じったような)表情にも説明がつく。

未回収の伏線②マルの能力について

天国大魔境(5) (アフタヌーンコミックス)

マルの能力は二つ、高い身体能力とマルタッチ(ヒルコを殺す能力)だ。4巻に登場したクモのヒルコが人間であった時に生んだ子供は、親と同じ能力を持っていた。このことから親の能力が受け継がれることが分かる。しかしマルの親だと思われるトキオの能力は、皮膚を硬化させる力だということが分かっている(7巻)。マルの能力はどこから来たのだろうか。

6巻の内容から推測できるが、トキオの子供はクローンが作られている。5巻で学園長がトキオの子供に脳移植することを希望していたが、彼女に反旗を翻している猿渡と青島は、トキオの子供のクローンを用意していた。学園長に偽物の子供を渡し、計画を失敗させるつもりだったのだろう。

6巻p.190より、猿渡が学園長に「赤ちゃんは後で差し上げますから」と言ったあと、トキオに釈明しているのも、偽物のクローンを渡すつもりだからだ。

片方がクローンであることは、赤ん坊が収められていた保育器の一方が「トキオJr.」、もう一方がクローンの頭文字である「Jr.C」であることから分かる(6巻p.136)。しかし、何者かの襲撃により、どちらがクローンか分からなくなってしまい、一旦片方の子供の足の裏に「マル印」をつける。この時マル印が付けられた方が恐らく、魔境編のマルである。

その後、6巻p.168より、「マル印」の無い方がトキオへ返される。トキオやコナの消息は、7巻の時点では不明だが、施設にいた子供たちの大半は自衛隊に保護されて、施設外で集団生活を送っている。マルは自分の最古の記憶として、同世代の子供たちと集団生活を送っていた時のことを語っている(上記の時系列表より2026~27年頃)。トキオに返されなかったマルは自衛隊に保護され、高原学園の子供たちと一緒に育てられていた可能性がある。

マルがトキオやコナの能力を受け継いでいないことから、マルはトキオの子供とそっくりに生み出されたクローンなのかもしれない

またトキオが生んだ子供の最大の特徴は、タラオの死因となった病気にかからないことだ。恐らくミミヒメの例から考えると、病気になった施設の子供たち(ヒルコ)は死後、怪物になってしまうのだろう。

トキオの子供は怪物化しない、完全体の人間ということになる。殺すことのできない完全体の人間、そんな存在に注射をするのが、マルに与えられた使命だ(1巻より)。はたして、注射によりどのようなことが起こるのか。これが天国大魔境に張られている最大の伏線と言えるだろう。

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