最近スキンケアにはまっている、という話をするとたいていの人はなぜか半笑いになる。どうも私がスキンケアに取り組んでそうなイメージが全くないらしい。「何を目指してるの?」とか言われることもあるが、ただただ肌の調子がいいとテンションが上がるので、スキンケアをしているだけである。
いや、男もスキンケアさせてくれよ。最近はそう思うことが増えてきた。スキンケアの効果だったり、オススメの方法だったり、そもそもなぜスキンケアにはまったのかということを書いていく。
メンズスキンケアのどこがいいか
もう一度書こう。スキンケアをしているとテンションが上がる(逆に言うと肌荒れがあるとテンションが下がる)。だから私は、毎日洗顔をし、化粧水をつけ、テンションをより上げたい日にはパックをし、そして乳液を塗る。翌朝、自分のほほをさわる。
衝撃的なさわり心地なのである。
女性のほほが柔らかいのは、そもそも性別が違うからだと思っていたが、根本的に間違っていた。多くの女性がスキンケアに取り組んでいる、その日々の努力の結果だったのだ。
しかも男がスキンケアに取り組む場合、まともなスキンケアをこれまでしてこなかったという人も多いはずだ。そんな方ほどスキンケアがオススメだ。なぜなら、お肌のケアは、最初の伸びがえぐいからだ。スキンケア初心者ほど、顕著な効果が出る。
もうこれ以上老いたくないと思うことはないだろうか。もちろん老いを止めることは不可能だ。老いて姿が変わっていく自分を認めることが、幸福な人生を送る重要事だろう。でも、それでも少しは抵抗したくなってしまう。緩やかに老いていきたいと思うのも、また人間なのである。
メンズスキンケアにはまったきっかけ:オリラジ藤森
スキンケアに興味を持つきっかけとなったのが、この動画だ。オリエンタルラジオの中田敦彦が、芸人界の大御所・松本人志に物申した動画をYouTubeにあげてプチ炎上の最中、相方であるオリラジ藤森がアップした動画である。中田の動画に対する自身の見解を述べているのだが、それよりもフェイスパックをしていることがとにかく気になる。
そして動画の後半でフェイスパックを外す藤森。自ら「奇跡の40代」と言っているのもうなずける美肌である。もし自分がこんな肌だったら、毎朝鏡の前でちょっとテンションが上がった状態で行動開始できるなと、思った。正直動画の内容はサッパリ入ってこなかったが、この動画に出会ってから、メンズのスキンケアをいろいろと調べるようになる。
メンズスキンケアの入口:伊藤 聡の本から学ぶ
そしてメンズのスキンケアの方法を探していた際、出会ったのがこの本。筆者の伊藤聡という方は、ゴリゴリの思想史学者で、「日本像の起源 つくられる〈日本的なるもの〉」や「中世天照大神信仰の研究」などの著書で知られる。なんとこの本では、意外にもライトな文体で、50歳で初めてスキンケアを始めた際の体験談が面白く、かつ切実に書かれている。タイトルの通り、鏡に映る自分の姿が、死んだ父に見えたことがきっかけだったそうだ。
おじさんが化粧品売り場にたどり着くまでの葛藤、ギター機材にからめて読み解くそれぞれの化粧品の関係性、各美容雑誌を読んだストレートな感想や、「今っぽ」「こっくり」「テクスチャー」などの美容界隈特有の単語への衝撃。独自の切り口で語られるスキンケアには、ノンストップで読了できる読み物としての圧倒的な面白さがあり、明日からスキンケアをやってみようと思わせてくれる名作である。まずはこの本を読んだほうがいい。
メンズスキンケアの方法論:LDK the beauty man
伊藤聡の本は、メンズスキンケアに取り組んだらどんな風に感じるのか、取り組むときにどこがハードルが高かったのかを知ることが出来て、スキンケアの基本的なことを知ることはできる。ただメンズスキンケアの方法論についてはそこまで多く語られていない。そういった意味でオススメなのが、このLDK the Beauty MANという美容雑誌。
LDKとは晋遊舎が発行している雑誌で、家電や家具など様々な商品にベストからワーストまで、はっきりとした評価を付けていくことが特徴だ。これは広告などが一切ないために、スポンサーを気にせず寸評しているとのこと。そのLDKがメンズの美容に特化して出したのが、このムック本だ。
そもそもスキンケアはどうやるのか。どの商品が良くて、どの商品はよくないのか。そもそもどうやって自分の肌に合ったものを選ぶのか、などに役立つガイドとなる。
メンズスキンケアをどこから始めるか
スキンケアと言っても方法は多岐にわたる。考えることがめんどくさくなる人もいるだろう。なので、まずは最小限の方法から取り入れ見てはどうだろうか。色々と情報を集めた中で、最も簡単にスキンケアをする方法は、次の二つを実行することだ。
- 洗顔する(朝はお湯、夜は洗顔料を使う)
- オールインワン(化粧水+乳液+美容液)のジェルを塗る
一般的なスキンケアの工程は次の通りだ。
1.洗顔→2.導入化粧水→3.化粧水→4.美容液→5.乳液
工程が多すぎてめんどくさくなってしまったり、すべてやると肌がべたべたするので続かなかったりという人も多いのではないだろうか。実は上記の2~5の工程をまとめてしまうのが「オールインワン」というタイプの化粧品を使ったスキンケアだ。また1の洗顔の工程では、洗顔料を泡立てることが重要なのだが、これも最初から泡のものを買ってしまうという方法で、省略できる。何もやってないという人は、まずここから始めよう。
オススメ洗顔料:ロドミス フェイスウォッシュ
洗顔料はふっくらとした泡で洗え、敏感肌にも優しい界面活性剤不使用のロドミスがおすすめ。炭酸泡でしっかりと洗浄し肌荒れを防ぐだけでなく、製品の見た目がスタイリッシュなのもテンションが上がるポイント。
オススメオールインワンジェル:muqna オールインワンジェル状クリーム
保湿効果を確保しながら、お肌を美しくする美容液の成分も含まれているという便利な一品。さらっとしたテクスチャー(肌ざわり)も、なんとなくスキンケアがべたべたするイメージがある男性にとっては、とっつきやすいと思う。お値段もちょうどいい。
すでに化粧水と乳液を使ってる人は何をするべきか
メンズスキンケアの意識は昨今、高まっている。化粧水と乳液だけは毎日欠かさずやっているという人も多いのではないだろうか。そんな皆さんもぜひ取り入れていただきたいのが、次の習慣だ。
日焼け止めを塗る
とにかく何でもいいから日焼け止めを塗ってほしい。肌のトラブルの大きな原因が「日焼け」なのである。日焼けで起こる肌トラブルは、後で元に戻そうと思ったら大きな手術をしないといけないものや、高い化粧品を使わないといけなくなるものも多い。それが安価な日焼け止めで予防できるのである。
朝、出かける前からばたばたと日焼け止めを塗るのがめんどくさいという方は、こういうスプレータイプの日焼け止めを玄関でシュっとするだけでもいい。むしろお肌に直接の刺激がないぶん、スプレータイプの方がおすすめだったりする。
フェイスパックにチャレンジする
急にハードルが上がるが、冒頭に書いた衝撃的な「肌ざわり」を体感するために、ぜひトライしていただきたいのがフェイスパックだ。そこまで高くない(30枚で2000円とか)のものでも、一度試してみると衝撃的な効果があったりする。特に最近はやりのシカ(CICA)を使ったものはニキビ予防などにも効果大。
おわりに
古典的なしめ方だが、「騙されたと思って」やってみてほしい。特に今まで一度もスキンケアをやったことが無い人。筆者はスキンケアを始めた当初、自分のほほの肌触りに衝撃を受けた(何回書くんだ)。この驚きを、みんなと共有したい。取り組んだ方は感想もお待ちしております。それでは。