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【アジア+アメリカ=サイバーパンク】未来都市が舞台のSF映画8選

高層ビル群に踊る漢字のネオンサイン。いかがわしく黴臭い路地裏でラーメンを啜る男が一人。そんな風景を舞台にした、都市が魅力的な映画をご紹介する。

『ブレードランナー』

2019年、人間に限りなく近いアンドロイドが逃亡する事件が社会問題となっていた。逃亡したアンドロイドを射殺する責務を負った刑事・デッカード(ハリソン・フォード)は、追跡の最中で様々なアンドロイドと出会い、何が人間を人間足らしめるのか、思索していく。彼の選択はーー?

風景にアジアとアメリカが混ざり合う近未来SFの金字塔。フィルム・ノワール(犯罪映画)の手法をSFに転用した独特の暗い色調や、アジアの要素を取り入れた街並みは、現在も大きな影響を映画・小説・ゲーム・マンガなど各分野に与え続けている。監督は『エイリアン』のリドリー・スコット、原作はこちらも多くの後進に影響を与えたフィリップ・K・ディックの『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』である。9/6にIMAXで劇場再公開されるようなので、大迫力で楽しもう。

『GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊』

生身の人間、サイボーグ、アンドロイド、そして脳を電脳化した人間が混在する21世紀の日本。公安9課に所属する草薙素子は、電脳を外部からハックし操る指名手配犯「人形使い」を追う過程で起こる様々な事件から、全身を義体化した自分は人間と呼べるのか、自己の根源と向き合っていく…。

日本のSFで世界に最も強い影響力を持つ作品。あの『マトリックス』がモロに影響を受けた。監督の押井守は「ブレードランナーがなければ攻殻機動隊は生まれなかった」と発言している。香港風の都市を舞台に描かれるのは、体をサイボーグ化してしまった人々の葛藤。自分は人なのか、機械なのか。凄まじい想像力を持って描かれたSF超大作。

『ゴースト・イン・ザ・シェル』

人々が自らの体をサイボーグ化するようになった近未来。公安9課に所属する草薙素子は、事件を追う最中に、自身の記憶が操作されていることに気付く。やがて記憶を取り戻していく素子は、自身の中に眠る驚くべき過去を知る。

『GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊』をハリウッドでリメイクした作品。主人公はスカーレット・ヨハンソンが演じる。流石にハリウッドだけあって風景に力が入っていて、それだけでも見る価値あり。ビートたけしが公安9課のリーダーとして出演している。アニメ版よりもテーマが分かりやすくなっているため(アンドロイドと人間の境界を巡る話から、一人の女性のルーツをめぐる話にサイズダウンしている)、かなり見やすい作品

『ベイマックス』

未来都市・サンフランソウキョウに住む天才科学少年・ヒロ ハマダは、兄が作ったケアロボット「ベイマックス」に刺激を受け、大学への進学を目指す。しかし大学入学へ向けたアピールのために制作したロボットが、とんでもない事件を引き起こすことに…?

舞台となるサンフランソウキョウは、サンフランシスコと東京を混ぜ合わせた街で、どこかにありそうでどこにもない景色が描き出されている。1:18~あたりに注目。日本人にしか分からなさそうな、マニアックな日本ネタも多数出てくる(クレヨンしんちゃんのチョコビの恐竜とか、NHKのドーモくんとか)。アクションが多く『ブレードランナー』よりもかなり軽く見ることが出来るので、疲れた日の締めくくりにオススメ

『AKIRA』

2019年、高層ビル群が立ち並ぶネオ東京で、放置されている旧市街(東京)を駆け巡る暴走族のリーダー・金田は、反政府ゲリラが少年を連れ出す場面に出くわす。暴走族のメンバーの一人・鉄雄が少年とぶつかったことをきっかけとして、彼の中に超能力が芽生え始め、少年たちは反政府組織と軍の争いに巻き込まれていくー。

1988年に公開されたアニメ映画で、原作マンガを執筆した大友克洋が監督した。2020年にオリンピックが開催されることを予知していたことでも話題になった作品である。怪しげな未来の東京が素晴らしい。こちらも海外に強い影響を与えていて、スティーヴン・スピルバーグ監督作品『レディ・プレイヤー・ワン』に主人公・金田のバイクがセリフ付きで登場する。

1:00~あたり。日本のアニメーションは世界で大きな存在感を持っていた。ちなみにこの作品にはガンダムも登場する。

『トータル・リコール』

世界大戦によって地表の大半が住めなくなってしまった地球。富裕層はかつてのヨーロッパを、貧困層はかつてのオーストラリアを中心としたコロニーに移住し、人類は存続していた。貧しい労働者・ダグラス(コリン・ファレル)は記憶を買うことで、退屈な日常を忘れようとするが、その最中にトラブルが発生し、突如追われる身となるーー

1990年の名作SF映画『トータル・リコール』の2012年リメイク版で、オーストラリアの街並みが中華街に飲み込まれつつある。恐らく『ブレードランナー』の影響もあるけど、現実世界で躍進する中国への恐怖心も表れている気がする。原作は『ブレードランナー』と同じくフィリップ・K・ディックから「追憶売ります」という短編小説。

『移動都市/モータル・エンジン』

戦争によって文明が破壊された地球。人々は都市を巨大な車輪の上に作り、小さな都市を捕まえ、資源を奪い取ることで生活していた。最も大きな移動都市「ロンドン」は、小さな都市の吸収には限界があることを感じ、地上で暮らしたい人々の都市「シャングオ」を攻撃しようとする。

移動する都市が舞台となるSF映画。完全にヴィジュアル・イメージだけで爆走しているタイプの映画だが、SFの街並み好きにはたまらない一作。細かい部分を気にしないで映像と勢いを楽しむ分には良い映画だ。空中都市VSロンドンは、さながらハウルの動く城VS天空の城ラピュタと言ったところだろうか。

『26世紀青年』

何から何まで普通の男・ジョーは「人類冷凍保存実験」の被験者に選ばれ、コールドスリープの実験台に。1年後に目を覚ます予定だったが、存在をすっかり忘れ去られ、起きた時には2505年になっていた。ジョーが目にした26世紀の地球は、人類がすっかりバカになってしまった未来だった。

こちらも未来都市の街並みが非常に魅力的な映画だけど、実はアジアの要素はあまり出てこない作品だ。SF映画の背景好きの皆様にぜひオススメしたいので、併せて紹介させていただく。これは「IQが低い人ほど子供を多く生む」=「500年経ったら人類はバカばっかりになっている」というめちゃくちゃな前提の映画で、非常にB級色強め。この映画の未来都市は現在よりも発展しているどころか、少し後退すらしており、その発想が面白い。 しかしラストシーンまで見れば、これが単なるおバカ映画ではなく、明確に伝えたいメッセージがあることが分かるのだ。油断していたこともあるが、正直ジーンと来てしまった。ぜひ見てほしい。

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本ページの情報は2020年5月時点のものです。最新の配信状況は U-NEXT サイトにてご確認ください。