2016年の上半期に爆売れしたビジネス書らしいので読んでみた。日本人の多くが抱えるシャイ病やコミュニケーションへの不安。藁にも縋る思いでこの本を手に取った人は多かったんだろうな。
コミュニケーション能力さえ高ければ、幸せになれる。コミュニケーション能力が低い人が常に損をしていることは、多くの人が実感しているだろう。
『超一流の雑談力』はコミュニケーション能力はトレーニングして鍛えるもの、という前提で書かれた雑談指南書だ。筋トレ本の会話版みたいなもの、内容について書いておく。
多くの人が勝手に学ぶコミュニケーションの基礎
この本に書かれているのは人生の中で自動的に獲得していくであろう、コミュニケーション能力の基礎の部分である。例えば電話では声を高くして話すだとか、相槌に「なるほどですね」「そうですね」ばっかり言ってる人は信用されないとか、自分の得意な話題に相手を誘導するべしとか、そういった類の基本的なことが書かれている。
でもそういう基本をこなせていない人、普通にいますよね?
もしそれが自分だったら、誰だっていやだろう。この本はそういう人たちのための、チェックリストなのである。
すぐ読める
パッと見は厚いが文章が簡単なのですぐ読むことが出来る。お手軽に自分のコミュニケーション能力を確かめられて良い。私は30分で読めてしまった。
後半は迷走
前半は有益な話だけど、後半はすこし迷走しているので読まなくてもいいかもしれない。
「ここぞというときに、<ファンになってもいいですか?>と相手に言う」とか、「視線を外して、<流石だな…>と思わず口から洩れたみたいに言う」とか、荒唐無稽なアドバイスが登場するからだ。この人本気で言ってるんだろうか…。
恐らく経験則で書かれているのだが、危険すぎやしないか。
特に最後の方なんて、雑談力を磨くために普段行ったことない美容院に行ってみよう!という、本当にどうでもいい話になっていく。
そういうところもあって、お手軽に読める本となっている。